電動キックボードに関する道路交通法の改正案が2022年3月4日に閣議決定、そして4月19日に可決されました。
改正案の内容の中には「条件を満たせば免許不要で電動キックボードを運転できる」というものもあり、かなりの注目を集めました。
しかし、すぐに改正案が反映されるわけではありません。さらには、条件を正しく理解せず免許のないまま公道で電動キックボードを運転すれば立派な違法行為となってしまいます。
本記事では、具体的な改正案の内容や、そもそも適用されるのか等詳しく解説していきます。
下記警視庁HPでも電動キックボードのルールを詳しく解説されていますので、あわせて参考にしてください。
2023年7月に電動キックボードの法律が改正されることが決まっています。法改正後のルールについては、下記の関連記事を参考にしてください。
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必ずこの改正案が適用されるわけではない?!
今回話題となった改正案はあくまで閣議決定、そして可決がなされただけです。つまりは法的にはまだなんの効力も持っていない状態です。
可決がなされたということは、これから可決した内容を国民に広く知らせる公布という段階、そして法的な効力を発生させる施行という段階を経て初めてこの改正案は現実に反映されることとなります。
なので、施行されるまでは従来の道路交通法を順守して電動キックボードを使用する必要があります。
現時点での電動キックボード関連の決まりはこちらの記事を参考にしてください!
電動キックボードに関する改正案の内容
ポイントを簡潔にまとめました!
① | 扱いが「特定小型原動機付自転車」となる |
② | 最高速度20km/h以下で制御され、長さ190cm×幅60cm内に収まる車体が対象 |
③ | 免許は不要。しかし、16歳以上でなければ運転出来ない |
④ | ヘルメットの着用義務はなし |
⑤ | 通行可能な道は自転車と同じ。また、交通反則通告制度と放置違反金制度の対象になる |
一つずつ解説していきます。
扱いが「特定小型原動機付自転車」となる
今現在の電動キックボードの扱いは「原動機付自転車」となっています。そのため、免許・ヘルメットの着用義務など厳しい条件が設けられています。
しかし、今回の改正案で電動キックボードのために新たな「特定小型原動機付自転車」という新たな区分が考えられました。そのため、近い将来に上記のような厳しい条件なしでも電動キックボードを使用できる可能性が高まってきました。
対象となる電動キックボードは“最高速度20km/h以下で制御、サイズは長さ190cm×幅60cm内”
今回の改正案で免許不要で公道での走行が可能となる電動キックボードには条件があります。
最高20km/h以下に制限されていて、かつサイズが長さ190cm×幅60cm内に収まっている車体が対象となっています。
高さに制限がない点は自転車共通となっています。
免許は不要 ただし16歳以上のみ使用可
今回の改正案では電動キックボードを走らせるにあたって免許は不要ということになっています。
ただし使用できるのは16歳以上からです。
16歳未満なのに使用、または16歳未満に提供した業者は懲役6か月以下または10万円以下の罰金が科せられることになります。
ヘルメットの着用義務はなし
改正案内での電動キックボード運転中におけるヘルメットの着用は努力義務という扱いとなっています。つまりは「義務ではないけど、なるべくならつけようね」という内容です。
しかし、電動キックボードは運転者の体がむき出しとなっているため、かなり危険性が高い乗り物です。筆者的にはヘルメットやその他安全用具(手袋、肘あて等)の着用を強くお勧めします!
安全性が高く、コスパの良いヘルメットはこちらの記事で紹介しいていますので参考にして見てください!
電動キックボードが通行可能な道、違反等
改正案の内容では電動キックボードは自転車と同じく車道、普通自転車専用通行帯、自転車道を走行できることとなっています。
また最高速度6km/h以下に制御されていて、補助標識で自転車での通行が可能とされている歩道でも走ることが出来ます。
違反行為についてですが、原動機付自転車と同じく信号無視や駐車違反は取締対象となります。
保安部品は装着が必要なのか?
保安部品とは車両を公道で安全に走行させるための装備のことで、ミラーや警報などがこれになります。
現時点の道路交通法では様々な保安部品を装備する必要がありますが、改正案内では規制を緩める方向で話がすすめられています。
改正案は施行される?されるとしたらいつ?
改正案が実際に施行され、電動キックボードを運転免許なしで走行させることが出来るようになるのかどうかは正直未定です。しかし、閣議決定・可決がなされた案は致命的な欠陥がなければほぼ確実に施行されます。
なので、免許なしで電動キックボードを公道で使用出来るようになる可能性は極めて高いです。
施行の時期についてですがこれもはっきりとした答えは分かりません…。ただし、今回の閣議決定は世界的に普及して来ている電動キックボードを日本に浸透させるための動きなので、そう遠くないうち施行されるのでは?…と予想しておきます。
改正案が通ったとしても注意しておきたいポイント
仮に今回の改正案が施行され電動キックボードについての規制が緩和されたとしても、従来通りのままの義務は一部存在しつづけるだろうと思われます。
例えばナンバープレートや自賠責保険の加入などがそれにあたります。
まとめ
今回の改正案が施行されて電動キックボードに関する規制が緩まれば、電動キックボードの普及率は格段に上がると思います。
電動キックボードはバイクや原動機付自転車に比べて手が出しやすく、自転車のように体力を使う必要がない便利な乗り物です。
しかし、現時点でも改正後でも立派な“車両”であることには変わりはないので、使用する際はきちんと義務を果たしたうえで安全運転を心掛けましょう!!