最近、日本でも街中で見かけるようになってきた電動キックボード。短距離を移動するのを楽にし、小さくて持ち運びも容易。
さらにCO2排出量も自動車の約40分の1と環境問題にも貢献できるため、近年注目を集めています。
そんな電動キックボードは、小型のかわいい見た目に反して原動機付自転車に分類され、速度も高速なものだと時速45km出るものも。
そんなスピードで公道を走るため、交通ルールの順守や事故への対策・意識は必須です。現に電動キックボードの普及に伴って事故件数も増えています。
今回は電動キックボードを乗るうえで大切なルールの一つである「自賠責保険」について解説していきます。
※2023年7月の法改正で一部機種が特定小型原付に分類されますが、特定小型原付であっても自賠責保険加入は必須です。
2023年7月に電動キックボードの法律が改正されることが決まっています。法改正後のルールについては、下記の関連記事を参考にしてください。
電動キックボードのルール
まず、電動キックボードの交通ルールについて軽くおさらいしておきます。
今後一部の電動キックボード(時速15km以下)についてはルールの改案がありますが、現在ほとんどの電動キックボードは原動機付き自転車と同じ分類に該当します。
したがって、原付の運転に必要な基準を満たさなければ運転することができません。
ただし、特定小型原付扱いの電動キックボードであれば、運転免許は不要、ヘルメット着用は努力義務となります。
ポイントは以下になるので、走行する前に今一度チェックしておきましょう。
- 原動機付き自転車と同じ分類
- 歩道の走行不可。車道のみの走行
- 運転免許証必須(特定小型原付であれば運転免許不要)
- ヘルメットの着用
- 保安装置の装備(後写鏡、前照灯、警音器、制動装置、方向指示器・速度計、尾灯・制動灯、後部反射器・番号灯)
- ナンバープレートの取得
- 自賠責保険の加入
電動キックボードには自賠責保険が必須!
電動キックボードのルールを確認したように、電動キックボードは原動機付き自転車と同じ扱いになるため公道の走行には自賠責保険に加入しなければいけません。特定小型原付モデルでも自賠責保険加入は必須となります。
自賠責保険って何?
そもそも自賠責保険とはどういうものなのかを確認しておきましょう。
自賠責保険は、自動車損害賠償責任保険の略で、法律で加入が義務付けられている最低限の自動車保険です。別名で「強制保険」とも呼ばれます。
自賠責保険に加入せずに運転した場合、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」となるだけでなく、「免許停止処分」にもなります。
必ず加入しましょう!
この自賠責保険の補償範囲は事故被害者のみとなっており、死亡事故の際は最高3000万円、傷害による事故は最高120万円が補償されます(後遺障害による事故の際は最大4000万までなど別途定めあり)。
被害者が全く賠償を受け取ることができないという最悪の事態を回避するという側面の強い、被害者救済のための最低限の保険となっています。
ただ、自賠責保険はあくまで被害者に対する補償のみで、十分な補償内容であるとは言えません。
ガードレールにぶつかってしまった、店や家を壊してしまった…などについては補償されません。
そんな自賠責保険ではカバーしきれない範囲までカバーするのが任意保険です。
自賠責保険の限度額を超える請求があった場合やモノや自分に対する補償などに備えて、任意保険の加入もオススメしておきます。
すでに自動車保険に加入している方(電動キックボードが2台目の方)は、自動車保険に追加できるファミリーバイク特約がオススメです。新規で加入するよりも保険料が安くなります。
自賠責保険の加入方法
【解説動画】
電動キックボード(特定小型原付)のナンバープレートを取ってみよう!! pic.twitter.com/vwV93s9pbm
— SWALLOW電動キックボードの会社 (@swallow_scooter) July 8, 2023
※上記動画の31秒あたりからコンビニでの自賠責保険加入方法を解説しています。
では、どこで自賠責保険の加入ができるのでしょうか?
電動キックボードを購入した販売店で手続きを行ってくれる場合もありますが、インターネットで電動キックボードを購入した場合や販売店が対応していない場合などは自分で手続きを行う必要があります。
自分で加入手続きを行う場合、一見敷居が高そうに感じますが、インターネットや郵便局、ガソリンスタンド、コンビニなどで簡単に加入手続きが可能です。
中でも1番手軽で簡単な「コンビニ」をオススメします。手続き可能なコンビニは、セブンイレブン、ローソン、ミニストップ、ファミリーマートです。
加入手続きは各コンビニに設置されている機械ですることが可能で、セブンイレブンは店舗内のマルチコピー機、ローソン・ミニストップはLoppi端末、ファミリーマートはFamiポートでできます。
手続きに必要な情報としては、「氏名」「住所」「電話番号」「車種」「登録番号」「車台番号」「使用の本拠地」「保険始期日」「保険期間」です。
機械の案内に沿って手続きを進め、保険料をレジで支払うとその場で「ステッカー(保険標章)」、「自賠責保険のしおり」、「保険証明書」の3点を手に入れることができます。書類の発行を待つ必要がありません。
なお、ステッカー(保険標章)についてですが、ナンバープレートの指定場所に貼らなければなりません。
ステッカーを貼り忘れると自賠責保険未加入とみなされてしまうため、もらったらすぐナンバープレートに貼っておきましょう。
自賠責保険の期間と保険料について
電動キックボードの自賠責保険の保険期間は1~5年です。1か月単位での加入はできないのでご注意ください。
金額について、各コンビニで加入できる保険会社はバラバラですが、強制保険のため全国どこでも同じ保険料になります。
12か月で7070円、24か月で8850円(1年あたり4425円)、36か月で10590円(1年あたり3530円)、48か月12300円(1年あたり3075円)…と契約期間を長くすれば長くするだけ保険料がお得になるのが特徴です。
また、廃車などで途中で自賠責保険を解約する場合には払い戻しがあるため、長い期間で契約しておいたほうがお得になるのでオススメです。
更新手続きもお忘れなく!
普通車や軽自動車、250ccを超えるバイクなどは車検があり、自賠責保険は基本的に車検時に更新することになっています。
しかし、電動キックボード含め、125ccを超え250cc以下の小型バイクや125cc以下の原付は車検が必要ではありません。
車検が必要ないと、どうしても自賠責保険の更新も忘れがちになってしまいます。有効期限をうっかり忘れて自賠責保険の更新がされないまま公道を走行すると、法律違反で罰則と行政処分が下ります。
さらに交通事故を起こしてしまった場合、補償が一切出ないことになります!
そんな事態にならないために、ナンバープレートに貼ってあるステッカーの保険満期年と満期月をときどき確認して、忘れないようにしておきましょう。
保険期間を長めに設定しておけば更新もあまり必要ないので効率的といえるかもしれません。
まとめ
電動キックボードはエコに手軽に乗れる便利な乗り物ですが、時には人をケガをさせてしまうこともあります。
実際に電動キックボードによる事故は年々増え続けており、安全性にはまだまだ課題もあります。万が一の場合の備えとして、必ず自賠責保険には加入して、安全に楽しい電動キックボードライフを送りましょう!!
- 電動キックボードは原付と同じ分類。原付同様、自賠責保険の加入が必須。
- 自賠責保険は法律で加入が義務付けられている強制保険。
- モノや自分に対する補償のカバーのために任意保険もオススメ。
- 自賠責保険はコンビニで簡単に加入手続きが可能。
- ステッカー(保険標章)はナンバープレートの指定箇所に貼ること。
- 保険料金は12か月契約で7070円。契約期間を長くするとお得に。
- 更新手続きもお忘れなく!