電動キックボードは、実はタイヤの種類によって乗り心地や走行距離が大きく左右されてしまうのをご存知でしょうか。
この記事では電動キックボードのタイヤの種類とそれぞれのメリット・デメリット、タイヤを選ぶポイントをご紹介していきます。
電動キックボードのタイヤの種類とメリット・デメリット
チューブタイヤ
チューブタイヤとは、タイヤ内部にチューブが入っており、チューブ内部に空気を入れることで走行を可能にしたタイヤのことです。
電動キックボードだけでなく、自転車やバイクなどでも広く使用されています。普段自転車に乗っている方ならばイメージしやすいタイヤの一つでしょう。
メリット
乗り心地が良く、安定した走行が可能
チューブタイヤには、乗り心地が良く、安定した走行が可能なメリットがあります。チューブ内の空気がクッションの役割を果たし、路面の凹凸や小さな段差の影響を受けにくくしてくれます。
グリップ力が高い
チューブタイヤは、乗り心地の良さに加えて、グリップ力が強いという特徴があります。
そのため、急ブレーキをかけても滑りにくく、安全性が高いことが挙げられます。
また、雨の日でもタイヤがしっかりと路面にグリップするため、安定した走行が可能です。
デメリット
パンクのリスクがある
チューブタイヤは、チューブ内部に空気が入っているため、パンクのリスクがあるというデメリットがあります。パンクした場合、走行不能になってしまうため、修理が必要となります。
また、路面にガラスや釘などの鋭利なものが落ちている場合、パンクの原因になります。そのため、走行中には落下物に注意するなど気を付けなければなりません。
パンクの際一気に空気が抜ける
チューブタイヤはパンクそのものにもリスクが伴います。チューブ内部の空気は高圧で充填されているので、パンクの際に一気に空気が抜けてしまいます。
このため、急なパンクによって危険を招く可能性があるため、常にタイヤの状態を確認する必要があります。
定期的なメンテナンスが必要
チューブタイヤは安全に走行するために定期的なメンテナンスが必要です。空気圧のチェックや空気入れ、劣化したチューブの交換など多くのメンテナンスがあります。
これらのメンテナンスは乗り心地を保つために必要不可欠であり、メンテナンスを怠るとパンクや事故の原因となる事があります。
チューブレスタイヤ
チューブレスタイヤとは、チューブタイヤと違ってチューブを必要とせずに空気を入れることができるタイヤです。
主に自動車に使われている構造で、チューブタイヤ同様安定した走行が可能なタイヤです。
メリット
パンクしても一気に空気が抜けない
チューブレスタイヤは、チューブタイヤ同様乗り心地が良く、安定した走行が可能です。しかし、一番のメリットはチューブタイヤよりも安全である事です。
チューブレスタイヤは、内部にチューブが入っていないため、パンクした際に一気に空気が抜ける事がありません。
そのため走行中にパンクした場合も数メートルは走ることが可能です。急なパンクが少ないため、走行中のパンク事故を未然に防ぐことができます。
チューブタイヤよりもグリップ力が高い
チューブレスタイヤはチューブタイヤよりもグリップ力が高い傾向があります。
チューブレスタイヤの場合、タイヤとリムの間にチューブが無く、タイヤ自体が空気圧で形状を保っています。
そのため走行時には路面との接触面積が広がり、グリップ力が向上します。これにより、より安全に走行することが出来ます。
デメリット
パンクした場合、修理が難しい
チューブレスタイヤは内側にチューブがなく、タイヤ自体にチューブの役割があるため、パンクした場合にはタイヤ自体に穴が開いてしまいます。
そのため、専用のパッチや修理キットを使用して修理する必要があり、通常のチューブタイヤよりも修理が難しいとされています。
また、修理を行った場合でも完全に修復されない場合があるため、タイヤそのものを交換する必要が生じることもあります。
定期的なメンテナンスが必要
チューブレスタイヤは、チューブタイヤと同様に定期的なメンテナンスが必要です。チューブが入っていないため、チューブ交換の必要はありません。
しかし、空気圧のチェックやタイヤの摩耗は日頃から確認する必要があります。
また、チューブレスタイヤのメリットである「パンクしても一気に空気が抜けない」という点は、逆にパンクに気付きにくくなるというデメリットでもあります。
パンクしたまま走行すると、事故や故障の原因となるため、注意が必要です。
ソリッドタイヤ
ソリッドタイヤとは、タイヤ内部に空気ではなくゴムや樹脂を充填させたタイヤのことを指します。
メリット
パンクする心配がない
ソリッドタイヤはチューブタイヤ、チューブレスタイヤと違って空気が入っていません。そのためタイヤに釘などが刺さってもゴムに穴が開くだけなのでパンクするといった心配がありません。
空気を入れなくて良い
空気が入っていないため、チューブタイヤやチューブレスタイヤのように定期的に空気を入れる必要もありません。
メンテナンスもチューブタイヤに比べると少ないので、専門的な知識はほとんど必要ありません。
デメリット
振動が大きく、乗り心地が悪い
ソリッドタイヤはタイヤ内部が硬いゴムで満たされています。そのため、チューブタイヤのようなクッション性はそれほど高くありません。
大きな段差や舗装されてない道を走ると直に振動が伝わってきます。舗装されていない路面の走行や、長時間の走行には向きません。
グリップ力が低く、濡れた路面で滑りやすい
ソリッドタイヤはグリップ力が低いデメリットもあります。
クッション性が低くなるとタイヤの形状が変化しにくいため、雨などの濡れた路面では曲がる際に滑ってしまうことも。天候によっては乗らない方が賢明かもしれません。
タイヤ自体が重い
チューブタイヤやチューブレスタイヤは内部が空気で満たされているのでその分重量は軽くなります。
対してソリッドタイヤは内部もゴムで満たされているため重量が増します。タイヤが重い分自然と走行距離も短くなり、長距離走行には向かなくなります。
ハニカムタイヤ
ハニカムタイヤとはタイヤ部分に蜂の巣状の穴が空いており、クッション性と耐久性を両立させたタイヤです。
タイヤとしては比較的新しく開発された物で、電動キックボードに限らずバギーやバイクなど、幅広く採用されています。
メリット
パンクの心配がない
ハニカムタイヤもソリッドタイヤ同様空気を入れる必要がありません。また、タイヤ全体がゴムでできているため針などが刺さってもパンクの心配がありません。
乗り心地が良い
ハニカムタイヤはハチの巣状の穴がクッションの役割を果たしており、ソリッドタイヤに比べて乗り心地が良いのが特徴です。
そのため、舗装されていない道路や軽い段差でも振動が来づらく、快適に走行することができます。
デメリット
クッション性が高いためスピードは出ない
ハニカムタイヤはクッション性が高く、乗り心地が良いメリットがあります。その反面、クッション性が高いが故に走行スピードは遅くなります。
長距離を走る方やスピードを求める方には向かないでしょう。
雨の日には滑りやすい
ハニカムタイヤもソリッドタイヤ同様雨に滑りやすい特徴があります。
ソリッドタイヤと比べればクッション性が高いので滑りずらいですが、やはり空気がないっていない分表面のグリップ力はそこまで高くありません。
タイヤの大きさによる走行性能の違い
ここではタイヤの大きさによる走行性能の差について解説します。
タイヤ径
径が大きいタイヤ
一般的にはタイヤ径が大きい特徴は下記のような特徴があります。
- 最高速度が早い
- デコボコした道に強い
径が小さいタイヤ
一般的にはタイヤ径が小さい特徴は下記のような特徴があります。
- 上り坂に強い
- スピードの加速が早い
- ブレーキが効きやすい
タイヤ幅
タイヤ幅が太い
- デコボコした道に強い
- ブレーキが効きやすい
- 加速が早い
タイヤ幅が細い
- 最高速度が早い
- バッテリ持ちが良い
初心者の方には走行に安定性のあるタイヤ径が大きく、幅が太いタイヤの電動キックボードをおすすめします。
電動キックボードのタイヤの選び方
ここまで電動キックボードのタイヤについて、それぞれのメリット・デメリットを紹介してきました。
しかし、これでは最終的にどれを選べば自分に合ったタイヤを選ぶ事ができるか難しいと思います。
そこで各タイヤに向いている人がどの様な人なのか、詳しく紹介していきます。
チューブタイヤ
チューブタイヤがおすすめの人は長距離を早く走行したい人におすすめです。
また、定期的なメンテナンスに悩まず、それ自体を楽しめる方にはより向いているでしょう。
チューブレスタイヤ
チューブレスタイヤは長距離は走りたいけどより安全に走行したい人におすすめです。
走行中の事故が心配な方や家族で使いたい方にはおすすめです。
ソリッドタイヤ
ソリッドタイヤがおすすめな人は、街乗り感覚で短い距離を乗る方におすすめです。
メンテナンスも少ないため、私有地で走行する方や遊び感覚で乗る方にも相性が良いでしょう。
ハニカムタイヤ
ハニカムタイヤがおすすめな人は、 メンテナンスフリーで快適な乗り心地を求めている方です。
クッション性が高いので、舗装されていない路面を走行することが多い方やガシガシ使いたい方におすすめです。
まとめ:使用環境によって最適なタイヤを選ぼう
ここまで電動キックボードのタイヤの種類やメリット・デメリット、それぞれの選び方について紹介してきました。
自分に合ったタイヤを選ぶことで、より快適に電動キックボードに乗ることができるでしょう。